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2005年02月12日

『恋の門』羽生生純

 大分以前にKAIZUKADO-FREE SOULのKAIZUKAさんに薦められて以来気になっていた羽生生純の『恋の門』(KAIZUKAさんのエントリはこちら)。先日Aちゃまのお宅にお邪魔した時に、手みやげの『アップルシード』のお返しに「貸してあげる」と言われたのですが、表紙を見た瞬間に「絶対買いたくなる!」と直観。5巻一気に購入してしまいました。
 3月末までは仕事関係以外のものは読まない!などと例によって無意味な自虐ルールで集約学習中だったのですが、連休に向けた自分へのご褒美ということで、久々に純粋な娯楽を堪能することにしました。
恋の門 1 ビームコミックス 羽生生純 924円

 ……と、思っていたら、「娯楽」なんて生易しいものではありませんでした。
 濃い絵柄で軽いネタなのかと思っていたら、全然軽くありません。その重さがネタなのはわかっているのですが、それでもどうしようもなくズズーンと来てしまいます。
 いえ、本当に面白い作品でしたよ。買って損はなかったです。これからも売ることはないでしょうし、一年に一回くらい読み返しそうな「本物」です。ただ何と言うか、今のわたしにはヘヴィでした。そう感じてしまうのは作品のせいではなく、わたし自身が「痛い」人間だからなのですが。
 natural tribeさんのエントリに、

漫画を貸してくれた人も普通に読んだことのある人も、口を揃えて言うのが「面白いんだけど・・・読んだあと、胃にもっ・・・・・・さりきますよ・・・」
という下りがありますが、もうこの表現が言い得て妙です。
 KAIZUKAさんは恋乃にidentifyするみたいでしたが、わたしは結構門とかぶってしまいました。痛いのが面白い……はずなのですが、もう一周回ってやっぱり痛いです。この痛みは、わたしの内奥からこそ来ているので、普通の人には半周周りでただ面白いだけなのかもしれませんが。
 なんというか、この際なので恥を忍んではっきり言いますが、京都市左京区とか高円寺とか、速攻で脱出しないとマジ取り返しのつかないことになりますよ! わたしもすっごい苦労しましたから!! あなたたちが大切だと思っているそこには、本当に本当に何もありませんから! 
 世の中、お金が稼げてナンボです。断言します。
 お金にならないことは、基本的に人から必要とされていないのだと思って差し支えありません。不必要なものでもとにかく存在しちゃうのも、また世の中ではありますが。

 一番気楽かつすんなり入れ込めるのはエロカッコイイ決理だったりして、そういう自分でありたい、それが楽、気持ちいい、と思いつつ、やっぱり話の本筋の痛重さの引力になかなか抗えません。四巻の転回、普通だったら「そこそこ面白おかしく流れてきたストーリーが急にディープに」なところなのでしょうが、最初からディープな匂いがするので、逆にインパクトが軽くなっています。

 唯一の救いは、マリモの最後の決め台詞、
「今の俺がおまえに言ってやれるのはこれだけだ。便所の鍵は必ずかけろ」
 くらいです。

 あぁ、こういうタイプのオヤジにもこれまでどれほど巡り会ってきたことでしょうか。もう二度と関わり合いにならないことを祈るばかりです。というか、歳をとった時にこういうオヤジみたいな人格にならないよう、気をつけます。
 そんなわたしの人生って一体……。


 それにしても、明日こそ普通に出かけたりしたいです。出不精なので、結局一人だと出ない可能性大ですが。

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Comments

オススメした手前なんですが
やっぱり重たかったですかね・・・

Posted by: KAIZUKA at 2005年02月13日 01:04

重い、というかもたれますけど(笑)、読んで良かったです。思い出したくないことも含めて色々思い出しました。またすぐ忘れるのでしょうけれど、こういうことを時々脳の表層に登らせてみるのは大切なことだと思っています。ハッとしますから。薦めて下さってありがとうございます。

Posted by: at 2005年02月13日 01:29

こんばんは。
以前から時々覗かせていただいてました。

漫画大好きな私ですが、「恋の門」は未読です。
”胃にもっさり感”を体感するために、明日にでも本屋に走ろうと決意いたしました。

私のやってるブログはヌードやらエロネタやら満載で少しイロが違うのでためらったのですが、
「リンクフリー」という言葉を心のよりどころに、
ブログリストに追加させていただきました。
もし不都合がありましたら削除しますので、遠慮なくおっしゃってくださいね。

Posted by: マキ at 2005年02月13日 02:19

>京都市左京区とか高円寺とか、速攻で脱出しないと...
に、大賛成です。

Posted by: とりこり at 2005年02月13日 10:21

>マキさま
リンクは全然問題ありません。というか、お美しいお身体にうっとりです。口説かせて下さい(笑)。

>とりこりさま
まぁ、半分以上自分に言っているのですけどね。わたしは遅すぎました。
こういうものをわざわざ口に出して否定するのは、丁度このマンガの毬藻と一緒で、自分自身に特別な思い入れと複合観念があるからであって、元から関係ない普通の人なら脳裏をよぎることもないでしょう。だから「大切にしたい」という気持ちも必ずあるのです。
今現在わたしの考えている結論は、
1 そこからは一刻も早く出ろ。お金を稼げ。
2 しかし、そこで得た経験、出会った人々は本当にかけがえのないものだ。一生大切にしろ。
というものです。

Posted by: at 2005年02月13日 12:24

こんばんは。リンクのご快諾ありがとうございました。
その上、そんな嬉しいお言葉をいただけるなんて、光栄すぎて鼻血がでそうです。

実はワタクシは、昨年の秋頃から石倉さんのブログの熱心な読者でした。
いつか書き込みしようしようと思いつつ、照れというかドキドキ感が先にたってしまい、モジモジしていたのです。

先日豆乳ローションが登場したときにコメント残そうと思ったのですが
なぜかそのエントリにはコメント欄がなかったんですね。
あのときは思いっきり泣いたです。
(私は、豆乳とエタノールとレモンを使ってのイチからの手作りで製造しております。
化学の実験みたいでなかなか楽しいです!)

そうそう、「恋の門」ですが、うちの近所の本屋さんにはありませんでした。
猛烈に読みたくて仕方ないです…amazonで注文しようかしら。

Posted by: マキ at 2005年02月13日 22:30

どもです。コメントは時々しんどいので閉めたり開いたりです。すいません。
化学の実験みたい、という意見に大賛成です。なんかね、怪しげな錬金術みたいなところが「効きそう」なんですよね。
「恋の門」はほんとにもっさりきますよ。良くも悪くも読み応えはあります。

Posted by: at 2005年02月14日 22:38

恋の門読みました〜
ストーリーがありがちなパターンにはまってなくて良いですね。
主人公が童貞捨てるのが漫画の結末になるのかと思いきや、あっさり捨てちゃうし・・ストーカーも・・自虐的になる主人公も好きです。1巻しか読んでないけど続きが楽しみです。

Posted by: Rappaman at 2005年02月16日 16:31
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