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2005年03月17日

.NET FRAMEWORK コンピュータ関連書感想リスト

「VISUAL BASIC .NET ADO.NET入門書 感想リスト」に続いて、コンピュータ関連書感想リストです。わたしと.NETの因縁については「ダメ派遣.NET」を参照して下さい。

 色々読みあさっているのは、とにかく基本が欠けているから、という理由が一番ですが、.NETのクラスライブラリから必要なクラスを見つけ出すコツの一つは「常識を身につける」ということなのではないかと思います。常識のない素人の言うコツなのでまったくアテになりませんが、「その方面のコンピュータの仕組み」に勘があると「こんな感じの名前空間にこんなクラスがあるような気がするっ」という直観が働く気がします。マイクロソフトの開発者も気まぐれで分類しているわけではないでしょうから。
 とにかくこの分野では駆け出しなので、他で得た感覚を応用して乗り切るしかないこの頃です。ボクシング転向した日拳選手というよりはむしろ、アンティークショップを開業した力士です。「押さば押せ」とか精神論ばっかりです(笑)。

『Visual Studio.NET2003 オブジェクト指向ですっきりわかるクラスと名前空間』 豊田孝 技術評論社 2,814円
☆☆☆☆☆
 名著です。
 正直、途中からはよくわからなくなってしまったのですが、それはわたしがアホだからなので、気にせず買って下さい。サンプルコードは主にC#ですが、VB.NETがわかるならそれほど問題にはなりません。
 とにかくアプローチの仕方が美しいです。そうなんですよ、本質が知りたいんですよ! 場当たり的なマメ知識で窮状を切り抜けるのではなく、未知の状況にも対応できるような地力を鍛えたいんですよ! そういう想いに悩む方に、一条の光を投げかけてくれる本です。
 あぁ、この方の本をもっとちゃんと理解したいです。globalを「地球規模の」としてしまうあたり、ちょっとご愛嬌なのですが、この辺の妙な核心に満ちているところも「センセイ」っぽくて好きです。濃いオジサンなんでしょうねぇ。好き好き。


『オブジェクト指向でなぜつくるのか 知っておきたいプログラミング、UML、設計の基礎知識』 平澤章 日経BP社 2,520円
☆☆☆☆☆
 雑学好きにはたまらないこのシリーズ。最初に読んだのが第五弾だったのですが、かなり頭がすっきりしました。それだけプログラミングに無知だった、ということです。特にポリモーフィズムの概念がわかりやすく説明されていて助かりました。まぁ、わたしの仕事ではそんなことをさっぱりわかっていなくても何とかなってしまうのですが、わからないことを放置するのは非常に気分が悪いものです。ガベージ・コレクションの仕組みなども、とても面白く読めました。
 別にプログラミングを仕事としていない人でも楽しめると思います。雑学オタクには最高の読み物です。


『プログラムはなぜ動くのか 知っておきたいプログラミングの基礎知識』 矢沢久雄 日経BP
2,520円
☆☆☆☆
 皆さんおっしゃるでしょうが、本当にわかりやすくて面白い本です。
 個人的に、一番最初の二進数の話などが楽しかったです。昔シスアドを受けたときにかじったはずなのですが、すっかり記憶の彼方に消えていました。世の中には賢い人がいるものです。
 これまた、プログラミングを仕事としていない人にもお勧めです。というか、仕事に直接役立つ種類の本ではありません。
 といいつつ、本当に基礎知識のないわたしには、結構実践て役に立つこともありました。APIについて調べているとポインタやら何やらCの世界のことがわかっていないと困るのですが、この本で得ていた基礎のお陰で、なんとか必要な情報を得ることができました。ありがたやありがたや。


『ネットワークはなぜつながるのか 知っておきたいTCP/IP、LAN、ADSLの基礎知識』 戸根勤 日経BP社 2,520円
☆☆
 実はネットワークが苦手です。ピンと来るのはアプリケーション層の上澄みの上澄みだけで、TCP/IPやらさっぱりわかりません。とりあえず教養だけでも身につけようと、読んでみました。
 多分、わかりやすいです。
 多分というのは、わたしにはしっくり来なかったからです。説明が悪いのではなく、本当にわたしに適性がなく、なおかつレベルが低すぎるのでしょう。また「ネットワーク」という極めて大づかみなテーマで書いていることにも無理があるのかもしれません。
 それを考えると、「プログラムはなぜ動くのか」等は奇跡的な名著であることがわかります。著者が違うので何とも言えませんが、同じシリーズでも雲泥の差です。
 どうもこの著者の語り口調は、上から見下ろしているようで好きになれなかったですね……。

『APIで学ぶWindows徹底理解 できるプログラマになるための日経BPパソコンベストムック』日経ソフトウエア編集 2,200円
☆☆☆☆
 APIのこと、Windowsのことが知りたくて色々探していたところ、評判が良かったので購入してみました。
 とても面白いです。特に基礎知識の不足しているわたしのような人間には、とてもためになりました。
 .NET的にはもちろん、なるべくAPIなど使わずクラスライブラリで賄ってほしいことでしょう。利用者としてもそのつもりです。ただ、やはり裏側で何がどう動いているのかのアタリくらいはつけられないと、クラスをさがすのもままならないのではないか、と思います。正式な教育を受けてきた人は違うのでしょうが、所詮素人のわたしには大変勉強になりました。
 コードはCで書かれているので、今ひとつ細かいところは理解できず、わたしの基準では結構難しい本になるのですが、おおざっぱな「仕組み」が知れるだけでも有り難いです。
 コンピュータの技術書はやたら三文字略語を振り回して、術語が術語で説明されているため、その術語を調べるうちに一体何がわからなかったのかすらわからなくなってしまった、という経験が初心者にはあるのではないかと思います。
 その点、この本の説明は素晴らしいです。ちゃんと日本語になっているのです。図解も丁寧で、この手の本としてはかなりわかりやすい部類に入るのではないかと思います。


 余談ですが、コンピュータ関連の訳語というのはなかなか凄まじいものがありますね。name resolutionが「名前解決」となっていたのには卒倒しそうでした。理系の人ってほんとに……。
 でもなんだか、そういうメカっぽい置き換え自体が微笑ましく好きだったりもします。これだけ新しいもののできる速度が早いと訳語を考えているヒマもなく、結果としてカタカナと略語の叛乱にも仕方のない面があると思いますが(しかもその方がわかりやすい)、時々はムダと知りつつ強引な訳語を宣言したりして欲しいです。


関連記事:
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