河原お散歩と京都鴨川の思いで

　楽しいことがあると歩きます。どこまでもどこまでも歩きます。
　楽しいことがなくても歩きます。考え事をしているとどこまでも歩けます。
　というわけで、昨日に引き続き2時間くらいお散歩してきました。多摩川河川敷です。
　

　多摩川と言っても多摩川競艇もほど近いあたりなので、本当に何もありません。寒さが戻ったとはいえ日曜の昼下がりなのに、家族連れの陰もありません。時々猛烈ウォーキングのおばちゃんとすれ違うくらいです。
　でも割とこういう最果てな風景は好きです。「西東京お散歩随想」や「運転免許試験場 ブルース・真理・小池」でも書きましたが、真理は常にマージナルな場に宿るものです。
　京都が長かったので、川のそばというのは落ち着きます。鴨川も宇治川と合流して淀川と名前を変えるあたりになると、丁度この辺りの多摩川と似た雰囲気になります。下水処理場やゴミ焼却場のある工業エリアです。鉄塔や煙突が美しくて、何度も映像作品のロケーションに使いました。
　
　尤も、観光で訪れるならさすがにお勧めはしません（笑）。
　普通の人は、京都鴨川と言えば等間隔カップルで有名な四条三条あたりを訪れるのでしょう。あれはあれで悪くないですが、川床なども観光化してしまっていて個人的にはあまり魅力を感じません。牛若丸弁慶で有名な五条大橋なんて、要するに一号線の橋ですから風情も何もありません。
　もう少し北の方、丸太町通から今出川通あたりの方がお散歩に向いています。京都大学や京都府立医大もほど近いので、学生さんがサックスの練習をしていたりします。
　今出川通とぶつかる京阪出町柳駅の前は「鴨川デルタ」と呼ばれ、賀茂川と高野川が交わって鴨川になるところです。天気の良い日は必ず学生がゴロゴロしています。送り火を見るのに絶好のロケーションでもあります。
　ここより北は、賀茂川沿いはのどかな河原になっていて、高野側の方は川幅が狭くてのんびりした感じでもなくなります。ただ、桜がとても奇麗なので、季節には大渋滞になります。

　もし川床を楽しまれたいなら、貴船が絶対お勧めです。
　貧乏人なので川床そのものには行ったことがないのですが、京都の奥の奥、魔境なエリアでとても雰囲気があります。貴船神社は縁切りで有名で、他人の絵馬をひっくりかえすと「ひろしが女と別れますように」とか異様に黒いお願いが書いてあったりします。夏は旧市街より数度温度が低いくらいで、涼をとるには最高です。
　同じ鴨川の奥には鞍馬があって、鞍馬から貴船へ抜けるハイキングコースなどは、これからの季節に一番かもしれません。

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