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2005年01月06日

8330人の女性器写真を公開した医学書

 女性性器の写真を公開した医学書が売れているそうです。
『日本女性の外性器―統計学的形態論』 笠井寛司
 『日本女性の外性器―統計学的形態論』 笠井寛司

 2004.9.10の週刊ポストには以下のような記事がありました。

産婦人科学のタブーが破られた−−8月上旬に発売された学術本が医学界の注目を集めている。著者は2年前に亡くなった元滋賀医科大学助教授・笠井寛司博士。そこには、博士が生涯情熱を傾けた女性器の形態研究の成果が、膨大な資料写真とともにおさめられていた。

 下世話な価値だけで売れているとしたら面白くないですが、もし淡々と性器写真が並べてあるものなら見てみたい気もします。
 女性性器に限らず、何かが隠されていることが機能するのは、単に禁忌による扇情というだけのものではありません。隠されているのは、何かが「ないこと」そのものであり、投影されているのは主体が主体であるために切断し失った肉片です。
 オヤジ的なエロ言説というのはこのダイナミズムがむき出しにならないよう機能している実に坊やなものなのですが、むしろこの曖昧性を徹底的にはぎ取った時にこそ、逃げ場のない暴力的なエロティシズム、reproductionには結びつけようもない死を孕んだエロスが析出されます。
 個人的には、デッサン用のポーズ写真集なども好きです。30度づつ角度を変えて撮った無機質な連続写真などが収録されているものです。

 ただ、もう少し調べてみると、どうもこの本は曰く付きのようで、社団法人自由人権協会のサイトに以下のような声明が発表されていました。

笠井元助教授は、患者として来院した女性の外性器を無断撮影し、かつその同意を得ることなく、その写真をおよそ学術書とはいえない内容で出版したことにより、医療を求める女性を不安に陥れ、女性の尊厳を傷つけた。よって笠井元助教授はそのことを率直に反省し、責任を明らかにすべきである。

 この声明は1997.8.6付で、対象となっている本は件の書籍の改訂前のもののようです(こっちの方がグッとお値段がお安いです)。
『日本女性の外性器―統計学的形態論』 笠井寛司
 『日本女性の外性器―統計学的形態論』 笠井寛司 1995年版

 この顛末については、もけもけアイランドblogさんに以下のような記述がありました。
旧版が最初に出版された1995年、一般人からの注文が殺到し、初版2000部はあっという間に完売したのだそうですが、1996年6月には滋賀県の女性団体が「女性器の無修正写真の掲載が猥褻文書頒布罪に当たる」として大津地検に告発状を提出したり(その後不起訴処分、検察審査会の再調査でも不起訴処分)、1997年9月には社団法人自由人権協会が「女性の尊厳を傷つけた」として著者の笠井氏に反省と責任を明らかにすることを求める声明を発表、さらに2000年には日弁連が警告を発するなど、いわくつきの本であることには変わりないようです。

 「自分の性器すら良く見たことがないものだし、意外と女性の購入者が多いのではないのか」というコメントもありました。
 性器関係の写真&経験ということでは、普通の人なら卒倒間違いなしな世界も見慣れているワタクシですので(わかる人だけわかってw)、こういう関心というのも理解できます。
 ちなみに、Amazonではなぜかこちらだけアダルトに分類されています(笑)。


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