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2005年02月04日

ビタミンDとビタミンB12の豊富な植物食品 食の倒錯的快楽

 最近、ビタミンDとビタミンB12が気になっています。
 お魚すらほとんど食べなくなり、果てしなく狭義のベジタリアンに近づいていってしまっているため、動物由来でないと摂れない栄養が不足しそうなのです。

 ベジタリアンと言っても色々で、肉は食べないけれど魚は食べる人、卵や乳製品を認める人、認めない人、宗教上の理由で食べない人、健康目的で肉を避けている人、痩せたい人、動物愛護や環境問題の観点から菜食主義の人、色々です。
 ちなみに欧米で最も一般的なのは、ラクト・オヴォと呼ばれる、卵や乳製品は食べる人たちです。肉・魚はもちろん卵・乳製品も摂らないベジタリアンはヴィーガンと言い、ハチミツも摂らない人がいます。食べ物だけでなく、毛皮などの動物製品一般を一切認めません。この辺りは、肉食を避けるモチベーションに依存しているのでしょう。
 わたしの場合は、動機はズバリ趣味です。
 もっと言ってしまうと、ただの強迫神経症というか、私的宗教のようなものです。肉や油物については食べると気持ち悪くなるというのもあるのですが、ただ単に「どこまでやれるか」というゲームにハマって、ルールに反すると不安でたまらない、というだけではないかと思います。
 料理自体は大好きなのですが、多分本質的には食べることにあまり興味がないのです。それでも空腹にはなるし、かといって食べ過ぎれば太るので、味とか食べる楽しみというのではなく、左脳的に食べ物を整理していく快楽で補っているのです。料理が好きなのも、映像やら文学やらメカやら手作り化粧品やら「ものを自分流で作る」楽しみの一貫でしかないような気がします。
 そんなわたしの最近の食べ物状況は、肉・油物・揚げ物はほぼシャットアウト、卵と乳製品もそれ自体を単独で摂ることはほとんどなし、時々魚、淡白源は大豆製品、というものです。要するにほぼ玄米・豆・野菜だけで生命を維持しています。これだけ食べていれば絶対死にません。
 魚は多少認めても卵と乳製品を拒む、というスタイルはおそらく欧米にはほとんどなく、一般的なベジタリアンの枠には入らない可能性もあります。所詮はただの趣味ですから厳格ではないですし、単にダイエッターが極まっただけかもしれません。また卵と乳製品については、加工食品に使われていることが多いので、完全に避けられてはいないと思います。
 これが健康に良いのかどうかは正確なところよくわかりませんし、大して問題ではありません。時々わたしがものすごい健康生活をしていると勘違いしている人がいますが、全体としてみればちっともそんなことはありません。お酒は飲みませんが煙草は吸いまくりですし、一生飲み続けなければならないお薬もあります。化学調味料も使います。むしろ不健康への不安から食べ物にこだわっている傾向すらあるくらいです。
 大体、相当な偏食をしても、それだけで即病気になるということはほとんどないのではないかと思います。長期的には悪影響があるでしょうが、肉だけ食べているような民族も存在するくらいですから、なんとかはなるものなのでしょう。長期的影響などと言い始めたら、どのみちガンで死ぬのですから一緒です。食はエロスですから、性感的に許せるかどうかが問題なのです。宗教とか趣味とか思い込みで決めれば良いことです。わたしも飽きたらやめると思います。
 更に言えば、人に押し付けるくらいパラノイアでもOKだと思っています。「押し付けは良くない」とか言う善人ぶったヤツらに限って、自分のバイアスに対する自覚すらないものですから、マクドナルドを焼き討ちするくらいなら全然許されます。アンタが玄米食べるか、アタシが肉食べるか、勝負じゃ!くらいの勢いで望みましょう。世の中所詮は暴力ですから、自覚して打つか、手を汚さずに尻馬に乗るかの違いだけです。

 更に余談を重ねると、動物愛護や環境問題にも関心がないわけではありませんが、これらを気にするにしても例の強迫的ゲームの一貫でしかありません。その辺を歩いている犬を殺そうとは思いませんが、もし食べるとしたら自分の手で絞め殺したいとは思っています。
 文化にもよるでしょうが、動物を食べるということは、是非を別にしてどこか祝祭的要素があったように思います。全否定しようとは思わないのですが、食べるなら食べるで「殺して食う!」くらいの意気込みが欲しいところです。こういうエロティシズムを忘れてしまうと、人生は非常につまらなくなります。返り血を浴びながら生肉食べたりしたいです。毛皮もモテるために命をかけてまといたいです。
 また、動物を食べないことにより熱帯雨林が保護できる云々ということには、ほとんど興味がありません。むしろこれらの思想がエスカレートすることにより、環境右翼的バックラッシュに至ってしまう危険の方が気になります。
 統計的な数字というのはほとんどトリックですし、環境問題というのは、その背後に高度資本主義経済による搾取と家父長制支配を覆い隠してしまう方便に使われがちなことを忘れてはいけません。
 エネルギー問題然りです。かつての「石油はあと三十年でなくなる」キャンペーンが原子力政策の隠れ蓑にすぎなかったのは明々白々としています。
 ただ、純粋な思考ゲームとしては、環境系の話は非常に好きではあります。「必要最小限でやる」的なやりくり魂をとても刺激してくれますし、最高にロマンがあります。VIVA宇宙開発&環境ネタです。環境右翼には宇宙開発反対派が多いですが、わたしにとっては両方とも「昔の未来」な胸躍る話でしかありません。

 大分話がズレましたが、私的ゲームのルール的に著しく欠けている栄養素があると気分が悪いので、やはりビタミンDとビタミンB12は気になります。
 ビタミンDは、脂溶性ビタミンのひとつで、食べ物からとるほかに、日光を浴びると体内でもある程度つくり出せるビタミンです。体内のカルシウムの出入りを調節するのに役立っています。魚介類に豊富で、過剰症もあることですから、普通はそれほど気にする必要はありません。わたしのように動物性タンパク質をほとんど摂らず、かつ日光をあまり浴びないアンチ紫外線な人だけは注意が必要です。
 ビタミンB12?は、葉酸とともに赤血球のヘモグロビンをつくるのを助けるビタミンです。不足すると悪性貧血の原因になることがあります。水溶性なので過剰症はないですし、普通の生活をしていればまず足りないこともありません。魚介類やレバーなどに豊富です。これまた、わたしのような人だけが気にするべき栄養素です。

 ビタミンDについては、「きなこごはんと鮫肝油で完全ダイエット」でも触れたように、本当に魚介類に豊富なのです。植物で豊富なのはきのこ類。生のものよりきくらげや干し椎茸などに多く含まれています。干し椎茸二枚で一日の必要量の三分の一を摂取できるそうです。
 きのこ類は微量栄養素が豊富で果てしなく低カロリーなので、ダイエット的にもお勧めです。わたしは大好きで、食べない日はありません。冷蔵庫には常に二三種類のきのこの仲間が控えておられます。

 ビタミンB12の多い植物食品は、本当になかなか見つかりませんでした。レンコンにも含まれているようですが、動物性食品の足下にも及びません。
 どうやら藻類に豊富なようで、海苔全版一二枚で必要量が摂取できるとのことです。
 レンコンは我が家の定番メニュー煮豆にはいつも入れていますし、海草類もひじきやもずくはよく頂くのですが、海苔はあまり食べていませんでした。ただ単に高いので(笑)。安い海苔はちゃんとまずいですからねぇ。

 まぁ、たまに買ったものを食べたりする時にイヤというほど入っていることでしょうから、本当はそんなに心配していないのですが、ビタミンDやコレステロールについては不足すると鬱の傾向が強まるという報告もあり、密かに思い当たる節がかなりあるので、うまく心身のバランスをとっていかなければ、と思っています。

 この「いかなければ」の発想が既に問題なのは、自覚してはいるのですが……。


 ベジタリアン情報サイトとしては、
日本ベジタリアン協会
ベジタリアン情報ページ
 などがお勧めです。後者はベジタリアンレシピ集が充実。
東京ベジタリアンレストラン リスト
 も便利です。はっきり言って、ベジタリアンレストランは思想臭すぎて他の客がウザいことが多く、個人的にはあまり好きではないのですけれど。


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